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ガジュマルの公園

2006年5月22日

屋久島には、すべり台やブランコなど、ごく一般的な遊具のある公園が少ない。確かにこの島にはそんな公園などなくても、山や海、そして川など、自然の遊び場がいくらでもある。もちろん我が子らも、島の自然で遊ぶのは大好きだ。それでも、東京ではそんな「フツーの公園」が日常の遊び場だったからか、買い物に行くと、スーパーの敷地にあるすべり台やタイヤのブランコなどで、実に楽しそうに遊ぶ。

面白いもので、自然豊かなこの島には、そんな「フツーの公園」が少ない割には、自然公園のたぐいは結構ある。東京にいた頃、近所に「水元公園」というよく行く公園があった。花菖蒲が見頃になると、他県からも観光客が押し寄せ、駐車場待ちのクルマで渋滞するほどの、都内でも有数の大きな自然公園だ。そこはいわば、都会のオアシスのような場所で、週末はバーベキューをする若者や、ピクニックに訪れる家族連れなどで賑わっていた。

一方、屋久島の自然公園は、都会の人のように癒しを求めて出掛ける人は少ないのか、いつ訪れてもひっそりとしている。確かに僕たちも、わざわざ自然公園に行くよりは、自然そのものへ出掛けることのほうが多い。そんなある日、子供たちをガジュマルの森へ誘ってみたときのことだ。

「ガジュマルの公園へ行こうか?」

そこは自然の森で、公園ではない。しかし、ちょっとしたねらいがあって、あえてそんな言い方をしてみた。

「行く行くーっ!」

思惑どおり、彼らは「フツーの公園」か、広場のある自然公園をイメージしているはず。

「どこにあるの?」

「秘密…」

我が家からクルマで走ること約10分。森の入口に到着した。

「公園じゃないじゃん。どこへ行くのよ?」

「いいから足元に気をつけて、ついておいで」

彼らにとって森歩きは楽しいらしく、森へ一歩踏み込むと、公園のことなどすでにどうでもいい様子。

「さあ、着いたよ」

そこはガジュマルが無秩序に絡まりあう、うっそうとした亜熱帯の森の中。子供たちは極自然に、思いのままに遊びはじめる。垂れ下がる気根を見つけては、お決まりの「ターザンごっこ」がはじまり、縦横無尽に張り巡らされた、幹か根っこか区別のつかないような「ジャングルジム」を見つけると、ひょいひょいと器用に渡り歩く。なるほど。まさにガジュマルのジャングルには、ぴったりの遊びを見つけたものだ。

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