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里の春もよう

2006年2月13日

「ホー、ホケキョッ…」

2月に入ると、里ではウグイスが鳴きはじめた。そういえば昨年の春に移住してきた頃も、家の前の雑木林でしきりに鳴いていた。移住してもうすぐ1年。ウグイスが鳴きはじめるたびに、毎年そのことを思い出すのだろうか。

確かに暦の上では、「立春」を過ぎればもう春だ。とはいえ、今までの経験上、2月はまだ冬という印象が強い。実際、ここ屋久島も、春というにはまだ少々寒い気もする。島の人も「2月はまだ寒くなるよ〜」と口々にいう。昨年は3月に大雪が降り、里まで真っ白になったそうだ。東京から南の島へ移住して来た僕の頭の中は、今の季節がもう春なのか、それともまだ冬なのか、少々混乱気味だ。

それでも島の南へとクルマを走らせると、ある集落を境に、道路わきには菜の花が一斉に黄色い花を咲かせている。ウグイスのさえずりといい、花の彩りといい、小鳥や草木たちは、とやかく理屈を付けたがる僕たち人間と違い、本能的に春の気配を感じているに違いない。

この季節になって、よく見かける花がある。2年前のこの時期に、屋久島を旅で訪れた際、可愛らしい黄色い花が畑一面に咲いていたのを見つけて、思わず写真に収めたことがある。それと同じ花だ。あまり花に詳しくない僕はある日、島の人に尋ねてみた。その花の名前は「ルピナス」、別名「ルーピン」だという。

マメ科の植物で、屋久島では「ルーピン」と呼ぶ人が多いらしい。どちらにしても、その可憐な容姿にぴったりの名前だ。花の名前を覚えると一層興味がわくもので、気がつくと島中のあちこちに、その鮮やかな黄色い花を際立たせている。そこには文字通り、華やかな空間が広がっているのだ。

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