(文=長坂 道子)
スイス、とりわけドイツ語圏というと「ビールの国」という印象。スイス人の間でさえ、食前のアペリティフに好んで飲まれるものとして「フランス語圏は白ワイン、ドイツ語圏はビール」というのが定説だ。なるほど、秋にドイツ語圏スイス各地で開催されるビールのお祭り「オクトーバーフェスト」でのにぎわいぶりを見ていると、確かにビール好き人口の層の厚さが感じられる。このタイプのお祭りでは、本場ドイツからオクトーバーフェスト専門のウェイトレスが出稼ぎにやってくるし、おつまみもブレッツェルパンやラディッシュにソーセージと、まさにドイツ風。テントを張った特設会場では、個人客だけでなく、会社のパーティや打ち上げに利用する客も多く、中には伝統的なコスチュームに身を包んで登場する本格派も。また、いわゆる「地ビール」も盛んで、スーパーなどでは入手できない地元の「隠れお宝」を愛好する人も多い。ちなみにこの国における昨年1年間のビール消費量は成人一人当たり57.1リットルというから、確かに決して少ない量でないことが分かる。






