(文=入澤 依里)
この数年、マンハッタンでは、個性的なデザイナーズ・ホテルが増え続けている。ポスト『Wホテル』をめざして、世界展開を視野に入れた海外のデザイナーズ・ホテルのNY進出も顕著になってきた。そうしたホテルのクオリティの向上に伴って、宿泊料金の高騰も著しい。ここでは、去年から今年にかけてオープンした話題のデザイナーズ・ホテルの中でも、リーズナブルからハイエンドまで、NYの今を物語る4軒のホテルを紹介しよう。
NYのトレンドを牽引するホテル王による最新ホテル
THE GRAMERCY PARK HOTEL

サイケな色彩が象徴的な客室
マレイ・ヒル地区の閑静な一角に、昨年秋にリニュアル・オープンした「ザ・グラマシー・パーク・ホテル」。1925年に建てられ、数々の歴史を生み出したホテルは、70年代〜80年代の伝説的クラブ「54」や、デザイナーズ・ホテルの先駆的存在「ハドソン・ホテル」「モーガン・ホテル」などを手掛けたホテル王イアン・シュレーガーによって、モダンとアンティークの魅力を兼ね備えたデザイナーズ・ホテルとなり、現代に甦った。

豪華なシャンデリアに迎えられるロビー
回転扉を抜けると、昼間でも照明を落とした重厚なロビーに迎えられ、イアン・シュレーガーの美意識が結集した独特の空間に引き込まれていくだろう。赤、緑、青などサイケデリックな色彩が象徴的な客室は、ソファやベッドなどの什器に、アンティークな要素を忍ばせているので、不思議にも心落ち着くはずだ。オープンが待ち望まれていたメイン・ダイニングには、「トゥーランドット」で知られる脇屋友詞シェフによる、ラグジュアリイ・チャイニーズ「Wakiya at the Gramercy Park Hotel」が7月24日にオープンしたばかり。

メイン・ダイニング「WAKIYA AT THE GRAMERCY PARK」
暖かい季節には屋根が取り払われるルーフ・トップ・バーからは、エンパイア・ステイト・ビルが一望できる。さらにそこには、木々が生い茂る温室のようなスペースもあり、ワン・フロアで様々な表情を楽しむことができるだろう。一階のバー同様に、アンディ・ウォーホルやバスキアなどのアートがさり気なく展示されるなど、随所にイアンの粋なセンスが溢れている。
このホテルの眼前に広がる「GRAMERCY PARK」は、まさに都会のオアシスのように静かで心癒される空間。常に施錠されているが、宿泊者であれば入園できるので、このホテルならではの特権を、是非、試してみていただきたい。




