
いかにも英国上級サルーンらしい佇まいを見せるデイムラー・ダブルシックス。ジャガーのボディシェルが使われる。
憧れのクルマが生産を終えた1990年代初頭
昨今、自動車販売の落ち込みを取り沙汰するニュースが連日にぎわしている。イノウエに言わせれば、申し訳ないけれど、いますぐ買い換えをしたくなるような魅力的なクルマ、買い換えざるを得ないようなクルマが出現しない限り、これは予想されたこと。ちょっとしたきっかけで爆発してしまっただけ、というような印象がある。
閑話休題、「DD6」と愛称された英国のデイムラー・ダブルシックスが生産を終えたのは1990年代初頭。ある意味で、ひとつの時代の終わりを感じさせた。憧れの別世界のクルマがなくなる、つまりはクルマに抱く夢がまたひとつ消えたのである。もちろん多くの人にとって別世界なのだから、その販売台数など知れたもの。だが、そういうクルマが存在することが重要なことだと理解している人も少なくない。
たしかに、省エネが第一義のようにうたわれる現代の目で見れば、燃費一つとっても考えられないような存在だったりするのだが、さすがは英国の気品を備えた憧れのクルマであった。事実、ちょうどバブルがはじける前夜というような時代、生産中止になるという「DD6」の最終モデルは1000万円を超える価格だったにもかかわらず、奪い合いになるような勢いで売り切れたのが思い起こされる。





