
「ブリキの犬小屋」などと称された最初のプロトタイプ。シトロエン2CVの目指すものがよく分かる。フランスの本社に保管中。
シトロエン2CVの最大の美点は乗り心地
具体的なハードウエアはこうである。エンジンは空冷水平対向2気筒OHV。当初のモデルは375ccの排気量から9PSの出力を得た。シトロエン2CVの「2CV」は「2馬力」という意味なのだが,それはフランスの課税馬力を表わすもので,実際のパワーは9PS,のちのモデルでは602cc,28PSまでになったが,名前は相変わらず「2馬力」であった。
シトロエン2CVの最大の美点というべき乗り心地を生み出すサスペンションだが,前後の中央にあるコイル・スプリングと慣性を利用したダンパーを持つリーディング・アーム/トレーリング・アームの関連懸架。ロールは大きいけれど,実にソフトで,篭に山盛りのタマゴが壊れないというのも頷ける乗り心地だ。
ホイールベース2400mm,決して小さくないボディだが,巧みに選ばれたギアレシオで結構軽快に走ることができた。カンバス張りのルーフ,ハンモック状のシートなど割り切りのいい選択が積み重なって,シトロエン2CVは独特の存在となったのだった。
世間一般の評判はさておき,シトロエン2CVは大衆の間にたちまちのうちに広まっていった。大仰にいえば,フランスの風景になくてはならない存在のようになっていった。文字通り,ベーシックカーたり得た,というわけである。
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