叩き洗いともみ洗いを組み合わせて洗浄力をアップ
この洗濯機、2005年に発表されたヒートポンプ式洗濯乾燥機をベースにしているが、中身が相当に違う。その最大のものが、ドラムの動き方だ。
ドラム式洗濯機は、横向きのドラムの回転によって、洗濯物を洗濯液の中に落として汚れを落とす。いわゆる、叩き洗いだ。衣類の絡みを減らすため、右回転と左回転を交互に組み合わせることはあっても、ドラムがグルグル回る点では変わらない。
ところが、「新ななめドラム」は、普通のドラム式洗濯機と同じ動きをしていたかと思うと、突然止まり、今度は左右にクルッ、クルッと急激に反転を始める。以前の「ななめドラム」でも、速度変化があり、かなり複雑な動きだと思っていたが、今度の製品は、それに輪をかけて不思議な動き方をする。

画像左が新たに加わった「クイック反転」動作。ドラムの急激な反転で衣類を小刻みに動かす。もみ洗いに近い効果がある。画像右が通常の「タンブリング」動作。この叩き洗いとクイック反転を組み合わせた「ダンシング洗浄・乾燥」が、新型の最大の特徴だ。

クイック反転の反動を利用して、洗浄液をドラム内に強く吹き出す。従来の約5倍の噴射力があるため、洗浄液が衣類にムラなく当たる。
急速な反転動作を見ていて、どこかで見たことがあるな、と記憶をたぐりよせたら、わかった。これは「芋洗い」である。年輩の方なら記憶があると思うが、大きな桶に水と里芋を入れ、板を差し込んで左右にねじる、あの洗い方だ。芋洗いを横向きでやっているようなものだ。松下電器では、通常のドラム式の叩き洗い(タンブリング方式)に、この横向きの「芋洗い」(クイック反転と命名)を組み合わせ、「ダンシング洗浄」と名付けたのである。
むろん、洗濯物は里芋とは違ってデリケートなので、激しく洗濯物同士をこすり合わせることはない。しかし、通常の「タンブリング」動作と比べても、動きが急なだけに、衣類へ伝わるエネルギーが大きい。このため、手でもみ洗いするのと同じような効果が期待できるらしい。
自分でやってみればわかるが、もみ洗いは布の奧にからみついた汚れや繊維に染みついた汚れを落とすのに、効果絶大。ドラム式の叩き洗いだけでは落ちにくかった汚れが、もみ洗いを組み合わせた「ダンシング洗浄」によって、落としやすくなったのである。




