文=羽野 羊子
写真=福山 英明

看板メニューの「ハンバーグステーキ」(1000円)。神戸時代の住所が入ったテーブルマットを今も使っているのは、「神戸の震災で一瞬にして店が全壊し、大切な常連客を失ってしまった辛い思いを忘れず、お客様をとことん大事にしたい」という気持ちの表れだという
昼も夜も行列ができることで有名な洋食店が、大阪・谷町にある。
お客の目当ては、神戸牛のみで作った特大ハンバーグ。挽き肉にロースやヒレの切れ端を練り込んであり、上質な肉ならではの旨みと肉汁が口の中でほとばしる。
「震災を機に神戸から大阪に移転したのが12年前。知人の紹介でここに店を構えたんですが、最初は、なんて静かな街なんだ、と思いましたね」(笑)。重里三千緒店長がこう述懐するように、この辺りは中小企業の事務所が多く、繁華街のにぎわいとはほど遠い。だが「うちの店だけを目当てにお客さんがわざわざ電車で来てくれはる。それが励みになりました」と重里店長。





