現行では年収600万円で借入額3100万円まで
今回の収入基準見直しで、フラット35もようやく民間ローンと同じ土俵で勝負できる体制が整ったといえるでしょう。ただし、利用者にとって基準の緩和は手放しで喜べない部分もあります。借りられる金額が増えれば、当然のことながらそれだけ返済負担が重くなるからです。
例えば年収600万円の人がフラット35を借りる場合、現行の収入基準では「毎月返済額の4倍以上の月収(返済負担率25%以内)」がネックとなって35年返済で3100万円までしか借りられません。毎月返済額は12万2281円です。

10月からは年収600万円で4400万円までOKに
それが10月からは「総返済負担率35%以下」だけが収入基準となるので、4400万円まで借りることが可能になります。借入額が一気に1300万円も増える計算です。その分、毎月返済額も5万円以上増えて17万3560円になります。
さらに35年間の総返済額では、現行と10月以降とで2150万円以上の差が出ます。ようするに支払う利息が850万円以上多くなるというわけです。借入額が増えて予算がアップするのはうれしいことですが、購入後の住宅ローンの負担が増えることも覚悟する必要があります。

重い負担によるローン破綻が懸念される
住宅金融支援機構としてはフラット35をてこ入れすることで、かつての公庫融資とまではいかないまでも、住宅ローン市場でのシェアアップを狙いたいところでしょう。返済期間を20年以内にすると金利を0.2%程度引き下げる措置を10月から導入するのも、商品拡充の一環と位置づけられます。
しかし、収入基準の緩和に安易にのってしまうと、重い負担で生活が苦しくなってしまいかねません。フラット35では自営業者や転職したての人が不利にならないよう、「基準を満たせばだれでも借りられる」ことを原則としているので、余計に心配をしたくなります。かつての「ゆとり返済」で6年目からの返済額上昇に耐えきれずローン破綻が続出したケースの二の舞だけは避けたいところです。




