
最近は原稿を用意し老眼鏡に掛け替えてデモを行う(2006年)
私がジョブズ氏を最後に撮影したのは、今年の1月のMacworld Conference&Expo(サンフランシスコ)だったが、この時も彼の痩せ具合に驚いた記憶がある。ジョブズ氏がキーノート終了後、壇上から降りて最前列に陣取る友人達に歩み寄ったのだが、トレードマークの黒いカットソーの"中身"が非常に頼りなく見えたのだ。真横に一緒にいたメディア関係者とその細さに愕然としたものだった。
しかしながら壇上での彼は決して衰えていない。さすがにデモの時には原稿を用意して老眼鏡をかけるようになったが、流れるようなプレゼンテーションは相変わらず"現実歪曲フィールド"の異名の通り見事だ。企業トップが、自社の製品とサービスをこれだけ分かりやすく、かつ素晴らしくプレゼンするのを私はほかに見たことがない。カリスマ性のあるジョブズ氏ならではのプレゼン力だと思うが、他の企業もこの姿勢を(特に日本の企業)見習うべきではないだろうか。
数年前からWWDCのキーノートを自分だけではなく、各製品担当者にプレゼンさせるようになった。禿げ上がった頭と無精ひげのジョブズ氏は、舞台の袖からそのプレゼンを見つめているのだが、以前の厳しい眼光ではなくなり温和な瞳だ。その風貌はどことなく聖職者を思わせる。
Appleは9月9日(アメリカ西海岸時間)、サンフランシスコでメディア向けのイベントを行う予定だ(関連記事)。複数の新製品の登場が予想されているが、まずはその壇上にジョブズ氏が元気な姿で立つのを期待したい。

2000年のMacworld SF。まだ髪もフサフサで身体もガッシリとしている




