(写真と文:三井 公一=サスラウ)

HKSのバイフューエルシステムと開発営業課の木ノ内 聡氏
カメラ:RICOH GR DIGITAL II
財団法人省エネルギーセンターが主催する「ENEX2008」(関連リンク)が東京ビッグサイトで開催された。この展示会は2月の省エネルギー月間の主要イベントとして、省エネルギーや新エネルギーなどの取り組みを紹介するものだ。
会場を歩いてみると、様々な取り組みが展示されていて興味深い。エコガラスや風力発電、家電量販店による省電力電化製品の展示など、身近に感じるものもたくさんあった。会場奥では「運輸ゾーン」が設けられ、アイドリングストップ自動車の体験試乗コーナーや、自動車リサイクルに関しての展示が行われている。その中に異色の企業が出展していた。
その企業は「HKS」(関連リンク)。創業35周年を迎えた自動車のチューニングメーカーである。クルマ好きやモータースポーツファンなら、HKSのロゴに見覚えがあるだろう。同社はターボチューンにより高出力を絞り出すチューニングで有名だが、今回出展していたのは、既存の自動車を天然ガスとガソリンのハイブリッド車に改造する「バイフューエルシステム」だ。
「天然ガス自動車は二酸化炭素の排出量をガソリン車より約2割削減でき、燃料もガソリンより低価格なので、環境性能と経済性が高まります」と小野 憲氏(HKS 事業開発部 開発営業課)は説明してくれた。バイフューエルシステム車に改造する場合は助成金が出るので、導入コストも半額で済むという。対応予定車種はトヨタのプロボックス、ハイエース/レジアスエースと、ニッサンのキャラバンなどCV(商用車)中心となる。
HKSがエコ分野に乗り出してきた背景には、「若者のクルマ離れ」や「スポーツカーの衰退とファミリーカーの台頭」がある。最近の原油高や道路事情の悪化も当然それに拍車をかける。しかしながら後ろ向きの考えは同社から感じられない。それはレースやチューニングで培った精密加工技術があるからだ。その技術は今回のバイフューエルシステムのレギュレーターにも活かされているという。
最高200気圧のボンベ圧を2.5気圧まで減圧するというシビアな部分だ。他にもコンピュータ部分がそうだ。純正のECUのガソリン出力信号をCNG出力信号に換算する部分など「クルマの脳」を知り尽くしているからできる部分である。
エコカーに「POWERED BY HKS」のステッカーを見つけるのも遠い日のことではないかもしれない。チューニングメーカーの今後の展開に期待したい。




