その旅路の果てでは、まるで世界がキスをしてくれているかのよう
こうした奥の深い歌が歌えるのは、もちろん聞いてきた音楽からの影響も大きいだろう。
「影響を受けたのは…それはもう、たくさん!あえて、思い出深いアーティストをあげるなら、デューク・エリントン、ペリー・コモ、ローリン・ヒル、ジェイムス・テイラー、キャロル・キング、レディオヘッド、ルイ・アームストロング、ガーシュウィン、ジュディ・ガーランドの歌声、ドビュッシー、パッツィ・クライン、ショパン、エルヴィス・プレスリー、そしてアラン・ローマックス…といったところかしら。
それから、ジャズクラブに出てくるような、無名のアーティストの演奏も好き。彼らの持つ“誰にもない想い”に影響を受けてますね」
それにしても、事故にあった後も、音楽への道をあきらめずにいられたのはなぜだろうか?
「向上心、あるいは他の人が考えている以上に、私はなれる、なりたい、という強い思いが、あったんだと思います。事故の後は、セラピーとして音楽を始めたんです。でもその後、事故後の記憶障害を改善するために、さらに一生懸命に取り組み、その成果を実感したいと願うようになっていきました。もちろん、簡単なことではなかったです。でも、大変だけど、同時に楽しかった。
周りの支えも大きかった。ある友人が話してくれたのですが、どんな苦難の道を歩んでいてもその旅路の果てに起こり得ることは、“まるで世界がキスをしてくれているかのよう”に感じられるでしょうと。今は、本当に、その通りだと思っています」
最後に、メロディの音楽をどのように楽しんで欲しいか、聞いてみた。
「たとえば、グラスワインを片手に豪華な食材とともに、そう、長く素敵な夜の先に、あるいはそんな夜の始まりにどうぞ、といった感じでしょうか(笑)。くつろげる音楽だと思うので、そんな感じで楽しんで頂けるのではと思います」

解説 セカンドアルバムとなる本作は、苦難を乗り越えたからこそ生まれる穏やかで温かな歌にあふれている。ジャズ系やボサノバ系などソフトなリズムの穏やかな歌をしっとりと聞かせれくれる。





