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「香港の魅力にも注目してほしい」

『インファナル・アフェア』シリーズでトニー・レオンとアンディ・ラウを組ませ、素晴らしい化学反応を引き出したラウ監督だが、今回の共演も見事な相乗効果を生みだしている。

アンドリュー・ラウ監督は「映画を作るときは毎回、何か新しい要素を取り入れるようにしています。今回は新しい刺激を求め、武さんに出演してもらうことにしました」と語る。

今回の最大の見どころは、トニー・レオンが初の悪役にチャレンジしたということ。これまでナイーブで誠実な男を演じることの多かった彼がどのような冷酷さを見せるのかに注目して欲しいが、意欲的な試みに、撮影にはかなりの緊張を要したようだ。

ラウ監督は「今までいろいろな映画を撮ってきましたが、今回が一番、時間がかかりました。『インファナル・アフェア』のときは1日8時間程度の撮影でしたが、今回は13〜14時間を超えました。今までのどんな映画よりもきめ細やかに撮っていかなければならないと思ったのです。だから、取り終えてみたら、僕自身も“傷だらけの男”になっていました。幸い、心に傷はついていなかったのですが」と笑う。

もうひとつの主役ともいうべきなのが、香港の街。ゴージャスでダークで、冷たく、そして温かい。相反する様々な要素を併せ持ち複雑な魅力を放つ大都市の空気感が、物語に色を添える。

「監督も僕も久しぶりに香港で香港映画を撮ったのですが、香港の魅力がこれでもかといういうくらい盛り込まれている作品だと思います」

ストーリー 恋人の自殺のショックから、刑事を辞めて酒浸りの生活を送る私立探偵のボン(金城武)。彼の刑事時代の上司で、億万長者の娘と結婚したヘイ(トニー・レオン)。仕事も生活も順風満帆のヘイだったが、義父が惨殺されたことで全てが一変する。事件は金品目当ての強盗殺人として解決されるかに見えたが、父の死に不信を抱くヘイの妻はボンに再捜査を依頼。すると、思いもかけなかった悲しい出来事が浮かび上がってくる……。

橋爪 さつき

一般企業でのわずかな会社員生活の後、映画雑誌、料理雑誌編集部員、フリーランスを経て、企画編集会社キッチュを設立。いくつかの映画サイトを企画運営する一方、男性誌「Pen」女性誌「PHPスペシャル」などでも執筆。「韓国映画俳優事典」「冬のソナタ『キム次長』クォン・ヘヒョと学ぶハングルスタートブック」(共にダイヤモンド社)などを編集。

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