デザイナーは優秀であればあるほど単なる絵描き以上に、モノを見通し、その先にある人の欲望や時代を読める存在でなければならない。そこで今回は日本が誇る世界的プロダクト・デザイナーのケン・オクヤマを直撃!
ケン・オクヤマは、世界最高のスポーツカーブランド、フェラーリのフラッグシップ、『エンツォ』を90年代にデザインしたことで伝説となった人物である。
過去、渦中のGMに在籍していたこともあるケン・オクヤマは、デザインを超えて、今後の自動車ビジネスをどう読み、どう予言するのか。
そもそも同時不況は想定済みだった?
──早速ですがオクヤマさん、今の世界不況、自動車不況をどう思われますか。
オクヤマ 状況を分かりやすくするために、外堀から入りましょうか。まず今回の金融危機は構造不況じゃないし、単なる金融不安だってことです。たまたま輸出産業を製造業を直撃はしましたが、今起こっている問題は元々指摘されていたし、今は融資先から調達できなくて困っているだけ。ですから戻りは意外と早いと思うし、根本的なところでの物作りの方向性は反省しなくていいのかなと思っています。
──というと今回の不況は、ある程度予想がついていたってことですか。そう言う意味では例の9・11(世界同時多発テロ)がデザイン界に及ぼした影響とは根本的に違うと。
オクヤマ 読んでいたというのは言い過ぎですが予感はしていたし、なによりビッグスリーが物作りや年金、保険制度で問題を抱えていたのはわかっていたじゃないですか。今回はそれがイッキに表面化してしまいましたけど、いつかはなんとかしなければいけない問題だった。9・11とは本質的に違うんです。




