これほどまでに胸を熱くさせてくれる映画には、久しぶりに出会った──。1985年8月12日、乗客・乗員あわせて524人を乗せた日航機が墜落。4名の生存者をのぞく520名の命を奪った未曾有の大惨事を、当時、地元紙記者として取材していたのは、『半落ち』などのベストセラーで知られる作家の横山秀夫だ。『クライマーズ・ハイ』は、その横山が、自らの経験を糧に渾身の力を込めて綴った衝撃作の映画版である。
舞台は1985年の夏。群馬県の有力紙・北関東新聞の編集局に、羽田発大阪行きの日航機墜落を知らせる緊急ニュースが飛び込んでくる。乗客・乗員あわせて524人という大惨事に浮き足立つ編集局。一方でまだ、墜落現場が長野なのか、群馬なのかすら特定できていない。そうした中、この事故の全権デスクに任命されたのは、これまで一匹狼的立場を貫き通してきた遊軍記者の悠木和雅だった。
映画は、その悠木を中心に、未曾有の大惨事に直面し、高熱にうなされてでもいるかのように記者魂に火が付き、異常な熱気に包まれる北関東新聞社の編集局を中心に進んでゆく。描かれているのは、意地と意地、プライドとプライドのぶつかり合いだ。





