やっぱり、三谷幸喜は天才だった──。上映中、思いっきり笑わせてくれて、終わった後には、こんな風に思わせてくれるのが、この映画だ。『ゴッドファーザー』を彷彿とさせるギャングの物語を、あっという間にコメディに変えてしまうその手腕。言葉で語るよりも、その目で確かめてほしいところだが、まずは、どんな映画かを簡単に説明しよう。
舞台はギャングの街シカゴならぬ守加護(スカゴ)。街を牛耳るボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後(妻夫木聡)に待ち受けていたのは、愛人ともども、海に沈められる運命。だが、なんとか助かりたいと願う備後は、咄嗟の機転で、ボスが会いたがっている伝説の殺し屋“デラ富樫”とは友だちだから連れてくると約束。その場を乗り切る。
が、もちろん、これはデマカセ。顔を知られていない伝説の殺し屋なぞ、見つかるわけもなく、期日だけが迫ってくる。絶体絶命のピンチの中、備後が思いついた苦肉の策。それは、全編アドリブの映画撮影だと騙して、三流役者の村田(佐藤浩市)をデラ富樫役に仕立て、ピンチを乗り切ることだった。





