スクリーンいっぱいに広がる主演のダニエル・デイ=ルイスの圧倒する迫力。2時間38分という長尺をものともせず、観客の心を鷲掴みにし、見終わった瞬間からアカデミー主演男優賞を獲るのは彼しかいない! そう、多くの映画マスコミに思わせた魂を揺さぶるドラマが誕生した。
舞台は20世紀初頭のカリフォルニア。デイ=ルイス扮する主人公のプレインヴューは、一攫千金を夢見る山師。全身真っ黒になりながら石油を掘り当て、頭角を現し始めた男だ。そんなある日、1人の青年から「故郷の大地に広大な石油が眠っている」との情報を仕入れた彼は、一か八かの賭けに出て成功。見渡す限りの荒野を買い取り、莫大な石油を掘り当てる。
映画は、こうして一気に成り上がった男が、事業を成功に導き冨と権力を手に入れる一方で、人間不信の色合いを強めていく様子を鮮烈に描き出す。それはまさに、むき出しの欲望を隠しもしない男が手にする、アメリカンドリームの光と闇だ。
そのプレインヴュー像を、より鮮明に浮かび上がらせるのが、この映画に登場する2人の人物。1人は息子のH.W.で、まだ幼い彼を仕事に連れてゆくことで、プレインヴューは交渉を優位に進めようとする。しかし、ある日、事故が起こり、2人の関係に変化が訪れる。
そして、もう1人が、プレインヴューが次々と油井を開拓してゆく地で、彼の成功に比例し、カリスマ牧師へと成長していくイーライという若者。強烈なほど反目し合うことになる2人が繰り広げる怨念と確執のドラマは、人間の業の深さをまざまざと見せつける。




