これは、紛うことなき大人の映画である。流れる空気はどこか気だるく、登場人物の表情に笑顔はない。なぜなら、彼らはみな、自分だけでは解決ができない多くの問題を抱えているからだ──。そして、今また彼らに、さらなる問題がのしかかろうとしている。それは、自分の良心と、果たさなければならない仕事との狭間で生じる、軋轢や葛藤のようなものである。
映画『フィクサー』は、巨大農薬会社に対する総額3000億円の集団訴訟を軸にした社会派サスペンスドラマだ。登場する主な企業は、原告団に訴えられている農薬会社のU・ノース社と、その弁護を引き受けているニューヨーク最大の法律事務所。両者ががっちりとタッグを組み、裁判は有利に進んでいるようにみえる。
が、勝利を目前に控えた両社に、思わぬ落とし穴が待ち受けていた。この裁判を担当していた弁護士の1人であるアーサーが、良心の呵責に耐えきれなくなり、公衆の面前で服を脱ぎ、留置所へと送られたのだ。しかもアーサーは、裁判の行方を左右する重要な秘密を握っているらしい。





