本年度の米国アカデミー賞で最多8部門にノミネートされ、作品、監督、助演男優、脚色の主要4部門で受賞。マスコミ向けの試写会も満員で、映画評論家がこぞってほめたたえる話題の映画が、ついに劇場公開される。
舞台となるのはアメリカの荒涼たる西部、テキサスの町。砂漠で狩りをしていたベトナム帰還兵のモスは、偶然、いかにも銃撃戦があったことを思わせる死体の山を発見。近くには、無数の弾痕のあいたピックアップ・トラックが数台残されていた。
そのうちの1台から、大量のヘロインと200万ドルという大金を発見したモスは、それがやばい金だと知りながらも、ついつい持ち逃げしてしまう。その日から彼は、組織が雇った冷徹な殺し屋シガーと、老保安官のベルから追われるはめになるが……。
見どころに触れるなら、何はさておき、3人のメインキャストを演じる3俳優の、いぶし銀のごとき輝きを語らないわけにはいかないだろう。1人目は、老保安官のベル役を演じるトミー・リー・ジョーンズだ。その役回りは、作品全体を見渡す立場で、冒頭から語り手としても登場し、最近の残酷な犯罪は理解できないとボヤいてみせる。





