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象の背中〜死ぬこと、生きることは? 人生を振り返りたくなる感動作

2007年10月25日

 映画を見ながらボロボロと涙がこぼれはじめた。その涙は、単に、人が死ぬ物語だからこぼれたわけではない。主人公が可哀相だから泣けたのではなく、銀幕に映る中年の男が、明日の自分かも知れないと思えたからこそ、あふれたのだ──。そう、『象の背中』は、余命幾ばくもない男が、残りの人生をどう生きるかを問うた作品だ。

主人公は48歳のサラリーマン藤山。妻と2人の子どもに恵まれ、中堅建設会社の部長として仕事も順風満帆。今まさに人生の円熟期を迎えた彼に、医者から突然告げられたのが「余命半年」という、人生のタイムリミットに関する言葉だった。

茫然自失となり戸惑う彼が、選択した人生。それは延命治療ではなく、残された時間を有意義に過ごすこと。そのために彼は、今まで出会った大切な人たちに直接会って、自分なりの別れを告げようと決意する。

初恋の人。高校時代にケンカしたまま会っていなかった親友。絶縁していた実の兄と、藤山が会う人は様々だ。それぞれに彼は、自分がガンで余命幾ばくもないからこそ会いに来たことを告げていく。だが、そうした中で、なかなか病気のことを切り出せないのが、23年間一緒に暮らしてきた妻の美和子だ。

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