1995年に『トイ・ストーリー』を生み出し、映画界に3DCGアニメという新ジャンルを切り開いたピクサー。その後も『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』と、毎年のように新作を発表し、ファンを魅了してきた同社の最新作が、この『レミーのおいしいレストラン』だ。
主人公はネズミのレミー。天才的な料理センスの持ち主で、シェフになることを夢見るものの、所詮はネズミ。なれるわけがない。
だが、そんなレミーが、料理が苦手な見習いシェフのリングイニと出会ったことから、奇跡の物語が幕を開ける。
パリの高級レストランを舞台に、次々と客の舌を満足させる料理を生み出すレミーとリングイニ。もちろん、2人の行く手には、意地悪な料理長や超辛口の評論家、はたまた、評判が高まることによって生じるギクシャクなど、幾多の困難が待ち受けている。それらを乗り越えていくドラマを通して、この映画が伝えようとしているメッセージの1つが、1人では無理でも2人でなら叶えられる夢、だ。
チームを組んでやることなら、遊びでも仕事でも、必ず各々の得意不得意があるはず。4番打者ばかり並べても勝てない野球と同じ。だからこそ、お互いにフォローしあい、チーム一丸となって前に進んでいくのだ。
そして、もう1つのメッセージが、劇中で何度も繰り返される「誰でも名シェフ(Anyone Can Cook)」という言葉。情熱を貫く勇気さえあれば、誰でも名シェフになれる──。大事なのは、「なりたい」という夢に向かう気持ちであると、本作は語っているのだ。
夏公開の映画らしく、「子どもに見せたい」と思えるようなメッセージが描かれている一方で、今回は、これまでのピクサー作品と一線を画し、“料理がテーマで、子どもが登場せず、しかも舞台がパリ”と、大人の観客を意識した作風だ。




