眩いばかりの輝きから、世の女性を魅了し、男性の懐を直撃してきたダイヤモンド。その中に、ごくわずかだが“紛争ダイヤモンド”と呼ばれる曰く付きのダイヤがあるのをご存じだろうか? この映画は、そんなダイヤをめぐって、失った家族を取り戻そうとする男と、密売人、ジャーナリストといった、三者三様の思惑が交錯する社会派ドラマだ。
舞台は、内戦がつづくアフリカのシエラレオネ共和国。漁師のソロモンは、反政府軍の襲撃により愛する家族との幸せな暮らしを奪われ、家族の安否を知らぬまま、ダイヤの採掘場に連れて行かれる。ソロモンに課された労働は、反政府軍の資金源となっているダイヤの採掘。だが彼は、ここで滅多に産出されることがない巨大なピンクダイヤを見つけ、誰にも気づかれない場所に隠してしまう。
一方、反政府組織に武器を提供し、代わりに手にしたダイヤを密輸業者に流しているのがダニーだ。心の奥底ではこの仕事に辟易し、腐りきった現実から逃れたいと思っている彼は、たまたま投獄された刑務所でピンクダイヤのことを耳にする。実はこの刑務所にソロモンも収監されていたのだ。
そしてもう1人、この地にやってきていた女性ジャーナリストのマディー。彼女が追いかけているのは紛争ダイヤの真相と証拠。ダイヤをめぐってさらなる紛争が起こり、多くの人命を奪っていることに憤りを感じるマディーは、危険を顧みず出所したダニーに近づくが……。
1つのダイヤが結果的に、ソロモンにとっては家族奪還の“切り札”となり、ダニーにとっては今の仕事から足を洗う“チケット”となり、マディーにとってはダイヤの真相を暴く“証拠”となる。本作が秀逸なのが、ダイヤをめぐる3人の駆け引きが、絶妙なバランスを保ちながら物語が進行する点。ときに友情や愛情を絡めながらも、終始、緊張感が保たれることで、観客をグイグイとドラマに引き込んでいく。





