昨年『男たちの大和/YAMATO』を大ヒットさせ、見事、映画界に返り咲いた敏腕プロデューサーの角川春樹。その彼が、モンゴル建国800年を記念し、モンゴルを統一したチンギス・ハーンの波乱に満ちた人生を、総製作費30億円をかけ、オールモンゴルロケという壮大なスケールで描いた超大作が、この映画だ。
チンギス・ハーンといえば、アレキサンダー大王やナポレオンですら成しえなかった、西はペルシャ湾から東は中国までという史上最大の帝国を築き上げたモンゴルの英雄。本作では、その出生からモンゴル統一までの道のりが綴られてゆく。
光が当てられてゆくのが、出生の秘密や友情、裏切りといった、これまで語られることのなかった“1人の男”としての側面だ。戦いに敗れれば女を奪われるのが常だった時代を背景に、子ども時代に「自分は父の子ではないのでは?」と悩んだハーンが、大人になって今度は「息子が自分の子ではないのでは?」という苦悩を抱えるようになる。
ハーン役に反町隆史。その妻に菊川怜。ほかに若村麻由美、津川雅彦、松方弘樹らベテランが脇を固めるほか、『男たちの大和』にも出演し、『デスノート』で演じたL(エル)役で一層輝きを増した松山ケンイチが、ハーンの息子役で出演。父に愛されない哀しさと、それでも父の期待に応えようとする愛の気持ちを見事に表現してみせる。
と、大まかな説明はここまで。映画の内容やキャストもさることながら、本作の最大の見どころは、4か月をかけ、オールモンゴルロケで行われたという大規模な撮影だ。中でも、角川がこだわったのが「チンギス・ハーンを撮るなら、彼が生きた大地で息を吸い生活すること」だったという。
撮影では、大規模な戦闘シーンが多いためモンゴル軍が全面協力。騎馬隊による戦闘シーンには、モンゴル軍兵士5000名がエキストラで参加している。
極めつけが、クライマックスのチンギス・ハーンの即位式。「CG全盛の時代だからこそ、CGに頼ることのない本物の映像を」との意気込みから、ウランバートルの全人口の35人に1人が参加した計算になる“2万7000人”のエキストラが集められた。ちなみにこのシーンのみ、監督の澤井信一郎に代わって、角川が9年ぶりにメガホンを取ったという。





