2月25日(日本時間26日)に発表される第79回米国アカデミー賞。この賞に6部門で8ノミネートと、本年度最多ノミネートされているのが、ショウビズ界の光と影を鮮やかに描いた、このミュージカル映画だ。
物語は1960〜70年代のモータウン・サウンドを背景に進行。仲の良い3人組で結成した女性ボーカル・グループ“ドリーメッツ”が、時代を象徴するスーパースター“ザ・ドリームス”になっていく様子を描いたサクセスストーリーだ。とはいえ、単に成功を描くのではない。成功を手に入れるまでの様々なエピソードをふんだんに取り入れ、ショウビズ界の裏側や、人と人との葛藤、ねたみなどを浮き彫りにしていく。
前半の大きな見どころが、中古車販売会社の経営者に過ぎない主人公のカーティスが、抜群の駆け引き能力を発揮し、次々と手を打ちながら音楽業界で成り上がっていくところ。無限の可能性を秘めた原石であるドリーメッツに目を付けるや、あっという間に彼女たち3人をマネジメントすると決め、仕事を与え、ガラスの靴を履いたシンデレラへと育て上げていく。
もちろん、まだまだ黒人音楽が黒人社会にしか通用しなかった時代、その道中は決して平坦ではない。だがカーティスは、必要とあらばラジオのDJにワイロを渡し、男性客の視線が歌のうまい女の子より、美人の女の子に向いていることを察知すれば、人間関係がギクシャクすることを厭わず、リードボーカルを美人に変えてしまうのだ。
原作は、1981年にブロードウェイで幕を開けた伝説の同名ミュージカル。翌82年にはトニー賞13部門にノミネートされ6部門で受賞。公演も4年に渡るロングランとなった舞台だ。




