2000年の米大統領選。共和党候補で当時テキサス州知事だったジョージ・W・ブッシュと、民主党候補で当時クリントン政権の副大統領だったアル・ゴアによる争いは、大統領選史上最大の接戦となった。この選挙戦を僅差で制したのがブッシュ。一方のゴアは、これ以来、政治の表舞台から姿を消していた。が、今、1本の映画の公開をきっかけに、そのゴアに待望論が巻き起こっているという。それが『不都合な真実』だ。
これは、ゴアが大統領選敗北の失意の中、温暖化問題を世界に伝えるという道を見出し、世界各国でスライドを使った講演を行ってきた様子を捉えたドキュメンタリー映画だ。人類が唯一暮らせる場所・地球。映画を通してゴアが訴えているのは、その地球が今、温暖化により危機に瀕しているということ。
例えばそれは2枚の写真。1枚目は1970年のキリマンジャロで、2枚目は2000年のもの。2000年の写真は、雪が山頂にしか積もっておらず、両者を見比べると、この30年の間に、どれほど温暖化が進んだかが明白になる。あるいは北極。氷に覆われた北極はこの40年で40%縮小し、今後50〜70年で消滅するという。こうした事実の1つひとつをゴアは、丹念に調べ上げたデータや写真を示しながら、決して押しつけがましくなく、ユーモアを交えながら語るのだ。
ここで次々と明かされる驚愕の事実は、どれもこれも、石油や自動車などの利権に支えられた政治家にとっては“不都合な真実”ばかり。そんな重要だが、誰も口にしたがらない温暖化問題に取り組むため立ち上がったのが、政治の表舞台から退いたことで、しがらみがなくなったゴアというわけだ。




