こんなジェームズ・ボンド、見たことがない! 本作で21作目を数える人気シリーズ『007』。その主人公のジェームズ・ボンドといえばスゴ腕の諜報員ながら、女たらしでちょいキザな伊達男のイメージ。だが、この映画に登場する彼は、ストイックで冷徹でありながら、同時に、人間としての心をかいま見せる。それもそのはず、本作で描かれるのは、ボンドが“007”になるまでのストーリーなのだから。
物語は、ボンドが、任務遂行中に自分の一存で人を殺しても良いという権限を与えられる殺しのライセンス“00(ダブルオー)”を取得するシーンから幕を開ける。英国諜報機関MI6に所属する彼に与えられた昇格試験。それは、2件の殺しの実績だった。これをクリアしたボンドは、晴れて“007”として活躍をはじめる。
そのボンドの前に立ちはだかるのが、死の商人だ。爆弾男との壮絶な追走劇にはじまり、女から情報を聞き出し、さらに、空港を舞台に一大アクションを繰り広げるなど、次々と飛び出す見せ場と、二転三転する物語が観客を飽きさせない。そうしてたどり着いた死の商人との一騎打ち。それはアクションとは無縁の、カジノを舞台にした心理戦だった──。
本作で主人公のボンドを演じるのは、スティーブン・スピルバーグ監督作『ミュンヘン』(05年)での、存在感溢れる演技が記憶に新しいダニエル・クレイグ。これまで、初代ボンドのショーン・コネリーを筆頭に、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンと、5人の俳優がボンドを演じてきたが、金髪で青い瞳の俳優がボンドを演じるのは、クレイグがはじめて。




