2001年9月11日に米国を襲った同時多発テロ。それから5年が経った今年9月11日には、あのテロの象徴とも言えるワールド・トレード・センターの跡地“グランド・ゼロ”にて、犠牲となった2749人の冥福を祈る追悼式典が行われた。この映画は、そのワールド・トレード・センターで、ビルの崩壊に巻き込まれながらも奇蹟の生還を果たした、2人の警察官の実話に基づくヒューマンドラマだ。
物語は、あの朝、起こった未曾有の惨事から幕を開ける。ワールド・トレード・センターに2機の飛行機が激突。港湾局警察官(PAPD)のジョン・マクローリンとウィル・ヒメノは、同僚とともに現場に駆けつけるが、そこで見たのは想像を絶する惨状だった。それでも、警察官としての任務を果たすため、マクローリンは部下を連れビル内に入るが、やがてビルが崩壊し……。

警察官が勇敢にも崩落寸前のビルに入り、人を助ける──。もし、この映画を、そうしたヒーロー映画と思ったのなら、それは大きな誤解だ。ここで描かれているのは、その逆で、救助に向かったマクローリンやヒメノが、崩落とともに瓦礫の下敷きになり、身動きがとれないながらも、わずかな望みを胸に、互いに励まし合う姿。死と隣り合わせの中で交わす、2人の会話が胸を打つ。
そして、この映画の中で、もう1つの主人公と言えるのが、彼らの安否を気遣う家族や、彼らを助けようとする人々の勇気。行方不明者の中に自分の夫がいることを知り、彼が生きていることを願う妻や、ビル崩落現場に駆けつけ、生存者がいないかどうか、必死に探し回る元海兵隊員など。あのテロの裏側で起こっていた、さまざまなドラマがコラージュされ綴られて行く。




