1980年代に全米を熱狂させたテレビシリーズ『マイアミ・バイス』が、このシリーズの製作総指揮を担当したマイケル・マンの手によりリメイクされた。当時の『マイアミ・バイス』は、MTVばりのヒットナンバーをBGMにした、スタイリッシュな刑事アクションドラマ。が、今回の映画では、そうしたノリをいい意味で裏切り、マイケル・マン監督らしい骨太のドラマに仕上がっている。
映画の話に入る前に、まずはオリジナル版の『マイアミ・バイス』を振り返ってみよう。アメリカでの放映は1984年〜89年のこと。日本でも『特捜刑事マイアミ・バイス』として、1986年〜88年までテレビ東京系でオンエア。8月23日より同局系列で、毎週月〜水の昼の12:30から再放送がはじまっている。
舞台はマイアミ。主人公は潜入捜査官のソニー・クロケットとリカルド・タブスで、ファッション性を重視するなど、シャレた刑事ドラマとして人気を博す。先ほど“MTVばり”と言ったが、このテレビシリーズは、当時人気上昇中だったMTVをヒントに“MTVコップス”、すなわち音楽PV(プロモーションビデオ)風の刑事ドラマを作ろうと企画されたものだ。
しかし、オシャレであること以外にもこのシリーズは、銃器の扱いや、潜入捜査が通常の刑事ドラマと比べリアルであることなどからも支持を受ける。今回の映画版ではマン監督が、製作総指揮をつとめたテレビ版のあらすじを読んだときから「潜入捜査とその任務につく人々の身に何が起きるかに興味があった」と話すとおり、クロケットとタブスの2人が危険な潜入捜査に足を踏み入れていく様子がリアルに描かれている。
物語は、クロケットとタブスが使っている情報屋が家族を殺され、自殺するところから幕を開ける。さらにFBIの捜査官も、囮捜査の現場で殺害される。どうやら捜査側の機密情報が漏れているらしいのだ。この状況を打開すべくFBIがとった行動。それは、捜査とは関係ないマイアミ=デイドの郡警察に白羽の矢を立て、クロケットとタブスに危険な潜入捜査をさせることだった。




