ニューヨークの人種問題を真正面から描いた『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89年)や、黒人解放運動の伝説的指導者マルコムXの半生を描いた『マルコムX』(92年)など、社会派映画の監督として知られるスパイク・リー。そのリーが今回手がけたのは、ニューヨークで起こった銀行強盗事件を中心に展開するクライム・サスペンス映画だ。
物語は頭脳明晰な犯人グループが銀行に乗り込むところから幕を開ける。覆面にジャンプスーツ姿で乗り込んできた彼らがとった行動は、人質全員に自分たちと同じ格好をさせること。この作戦をはじめ、犯人たちが次々と繰り出す頭脳プレーが、警察を翻弄する。
犯人グループのリーダーを演じるのはクライヴ・オーウェン。『クローサー』(04年)でゴールデングローブ賞に輝き、アカデミー賞にもノミネートされるなど、人気・実力とも急上昇中の俳優だ。そのオーウェン扮する犯人に、翻弄されながらも渡り合う捜査官役に、『グローリー』(89年)と『トレーニング・デイ』(01年)で2度のアカデミー賞に輝くデンゼル・ワシントン。映画の前半は、この2人の駆け引きが観客を魅了する。
だが、ほどなくして警察側は、犯人グループが金目当てではないことに気づき始める。そんな折り、強盗に入られた銀行のトップの特命を受け登場するのが、『告発の行方』(89年)と『羊たちの沈黙』(91年)で2度のアカデミー賞に輝くジョディ・フォスター扮する弁護士だ。はたして、犯人グループの真の目的は? そして完全犯罪は成り立つのか?
と、こうしたハラハラドキドキの脚本を書いたのは、ラッセル・ジェウィルスという1人の新人脚本家。「シナリオがすべて」といわれるハリウッドらしく、この映画は、彼が書いた1本のシナリオからはじまった。




