1982年に『少林寺』でスクリーンデビューして以来、中国の全国武術大会5回連続優勝という前人未踏の記録そのままに、目にも留まらぬ早業を次々と繰り出し、見る者を圧倒するジェット・リー。その人気は海を越え、映画の本場ハリウッドでも主役をはるほどに! そんなリーが、中国が列強各国に蹂躙され、民族としての誇りを失いかけていた時代に実在した、1人の格闘家を演じた映画がまもなく公開される。
1910年、上海で開催された史上初の異種格闘技戦。この戦いで、列強各国が送り込む猛者を相手に、たった1人で立ち向かう男がいた。彼の名前はフォ・ユァンジア。全中国人の期待を一身に背負ったフォは、目の前の敵を次々と片づけていく。だが、その彼も昔、強さにおぼれ傲慢になったがゆえに、愛する者を失う地獄を見ていた──
映画はフォが、すぐれた武術家である父を尊敬していた少年時代からはじまる。「父のように強くなりたい」と願う息子。だが父は、息子に対し武術よりも勉強を勧める。その真意を理解できぬまま大人になったフォは、天津一強い男になろうとする過程で、人生で本当に大切な家族を失ってしまう。
映画の大きな魅力の1つが、『マトリックス』のアクションを生み出したユエン・ウービンによる華麗なアクションだ。その一方でこの映画は、強さを競うことの虚しさを問いかけてくる。邦題『SPIRIT』に象徴されるメッセージが、そこに隠されているのだ。そんな映画をプロデュースしているのが、今もっともアジアで力のあるプロデューサーでもあるビル・コンだ。




