『古畑任三郎』『王様のレストラン』など数々の高視聴率ドラマを生み出し、劇団「東京サンシャインボーイズ」時代には『12人の優しい日本人』『ショー・マスト・ゴー・オン』などの名作を発表。ウィットに富んだ笑いを武器に、日本のエンタメシーンを牽引する三谷幸喜が、『ラヂオの時間』(97年)、『みんなのいえ』(01年)につづき、映画の脚本と監督を担当した話題作が『THE 有頂天ホテル』だ。
舞台となるのはホテルアバンティ。年の暮れ、ホテル主宰の大晦日カウントダウンパーティーまであと2時間というところから、物語はスタートする。登場人物たちは、ここで働くホテルマンに訳アリの宿泊客、そして出入りの業者。無事に年を越せればと思う彼らの前に、次々と信じられないようなハプニングが起こり始める──。
タイトルの由来は、グレタ・ガルボら豪華キャストの競演で“群像劇”というスタイルを確立した往年の名作『グランド・ホテル』(32年)と、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコンビが活躍するミュージカル映画『有頂天時代』(36年)にあやかったもの。
これに三谷が得意とするシチュエーション・コメディの要素を取り入れ、一度はじまったら最後。怒濤のようにトラブルが起こりまくりながら観客を笑いに巻き込む、ノンストップ・エンターテインメントに仕上がった。
そんな作品を、ひとことで表現すれば“三谷ならでは”。
まずはじめの“三谷ならでは”は、豪華なキャスティングだ。主人公に、『SAYURI』に出演し、映画『バベル』(2007年公開予定)ではブラッド・ピットとも共演している役所広司。ほかに、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾ら、ドラマ・映画で引っ張りだこのスターが次々と登場する。
また、西田敏行、津川雅彦、伊東四朗といったベテラン勢が味のある笑いを誘い、唐沢寿明やオダギリジョーといった2枚目俳優が“ブ男”に扮し、意外な脇役キャラぶりも披露する。大河ドラマ『新選組!』の原作・脚本も手がけた三谷をして、「大河ドラマができるくらいのメンバーが揃った」と言わしめる顔ぶれは、まさに“三谷ならでは”。




