今年の正月映画の目玉として、もっとも注目を集めているのが『キング・コング』だ。1933年に製作され、『ゴジラ』のような怪獣映画をはじめ、さまざまなスペクタクル映画やアドベンチャー映画に影響を与えた金字塔的作品を、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督がリメイク。主演に『ザ・リング』のナオミ・ワッツ、『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラック、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディを迎えて贈る。この冬イチ押しの娯楽大作が、ついにベールを脱いだ。
舞台は1933年のニューヨーク。野心家の映画プロデューサーのカールは、出資者にも見放され、製作途中の映画の完成を危ぶまれる始末。そのカールが起死回生の策として講じたのが、地図にも存在しない幻の島「髑髏島(スカルアイランド)」での撮影。主演女優にも逃げられる中、偶然知り合った売れない女優のアンを抜擢し、あるとも知れない幻の島に向けて船を出す。だが、ようやくたどり着いたその島には、想像を絶する生物たちが待ち受けていた──。
物語的には、美女に恋するキング・コングという本筋をはじめ、オリジナル版に忠実に作られているのも本作の特徴だ。時代設定を現在に置き換えるのではなく、1930年代にとどめたのにも理由がある。1つは、30年代が冒険開拓時代の終わりに当たること。当時はまだ、わずかながらも未開の地が残されていたのだ。
そして、もう1つが、有名なラストシーンである、エンパイアステート・ビルの屋上での複葉機対キング・コングのバトルシーンを再現したかったから。「あのシーンなしの『キング・コング』なんて考えられなかったよ」とジャクソン監督も語るように、飛行機も複葉機でなければ絵にならなかったのだ。
こうした発言からもくみ取れるように、ジャクソン監督にとって『キング・コング』は、「9歳の時にテレビで見て以来、映画監督を志すキッカケになった作品」として、また、いつかはリメイクしたい作品としても大きな位置を占めていた。実際、1996年には脚本も完成させたものの、そのときは結局、実現に至らずに終わっていた。




