「本年度アカデミー賞最有力」というコピーは、映画の宣伝ではよく見かける手法だ。が、こと、この映画に関しては、そのコピーもうなづける。監督に『ビューティフル・マインド』でアカデミー監督賞に輝くロン・ハワード。主演に『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞受賞のラッセル・クロウと、『コールド・マウンテン』でアカデミー助演女優賞受賞のレニー・ゼルウィガー。と、アカデミー賞トリオが放つ本作は、1人のボクサーが家族を守るために、どん底からはい上がり奇蹟を起こしてゆく様子を描いた感動作だ。
物語は伝説のプロボクサー、ジム・ブラドックの実話に基づき語られる。ジム(ラッセル・クロウ)は、タイトル奪取も時間の問題と思われていた前途有望なボクサー。だが、1929年に右手を負傷したことから事態は一転、大恐慌にも巻き込まれ、一夜にして極貧生活へと転落してしまう。家族を守るために、右手をかばいながら、過酷な肉体労働で日銭を稼ぐ日々。その日雇い仕事にさえ、満足にありつけない。
そんなある日、かつてのマネージャーが姿を現し、1日限りのリング復帰を持ちかける。相手は、世界ランク2位で、対戦相手がなかなか決まらないほどの強豪。自分は当て馬とわかっていながらも、ジムはファイトマネーによって家族の生活を守れるならとリングに上がる決意をする。そこからアメリカ中を熱狂させた奇蹟の連勝街道がはじまるとも知らずに……。




