国とは何か? そして、国防とはどういうことか? ともすると“マッチョ”とも受け取られそうなこうしたメッセージを、かつて、これほどに力強く発する映画が、日本にあっただろうか? 亡国のイージス──。福井晴敏原作で、110万部を超えるベストセラー小説が、ついに映画化された。防衛庁、海上自衛隊、陸上自衛隊の全面協力のもと、本物のイージス鑑やF-2戦闘機を使うという前代未聞のロケを繰り広げた本作は、平和や祖国存続を考える上で避けては通れない諸問題を、銀幕を通してあぶり出して見せる。

事件が起こったのは東京湾沖だ。訓練航海中の海上自衛隊のイージス鑑「いそかぜ」が、乗っ取られてしまう。首謀者は同鑑副長の宮津2等海佐と、某国の対日工作員ヨンファ。緻密に準備を積み重ねてきた彼らは、日本政府に対し「全ミサイルの照準を東京・首都圏内に設定した」と宣言、要求を突きつけるが……。
「イージス」とは、ギリシア神話に登場する「無敵の盾」のこと。その名を冠した「イージス鑑」は、最新鋭の防空システムを搭載した、まさに日本にとっての「無敵の盾」だ。だが、この映画は、「語るべき未来も見えず、守るべき国家の顔さえも失った」日本に、はたして「無敵の盾」など意味があるのかと問いかけてくる。




