もしも、クローン技術が発達し、自分の寿命を延ばすことができるとしたら、あなたならどうする? 映画を通して、そんな問いかけをしてくるのが、SFアクション大作の『アイランド』だ。監督は、『ザ・ロック』『アルマゲドン』『パール・ハーバー』とヒット作を連発し、スタイリッシュなアクション映画には定評のあるマイケル・ベイ。主演に『スター・ウォーズ』新シリーズでオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーと、『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンを配し、スピーディーで見応えのある娯楽大作が誕生した。
舞台は2019年。人類は地球規模の大気汚染によって死に絶え、わずかに生き残った数百名だけが、外界から遮断され、厳重に管理された居住空間で暮らしていた。リンカーン・6・エコー(マクレガー)とジョーダン・2・デルタ(ヨハンソン)も、そこで暮らす住人。彼らにとって唯一の生き甲斐が、くじ引きによって決まるアイランドへの切符を手にすること。そこは、この地球上で唯一、放射能汚染を逃れた地上の楽園であった。だが、ある日、リンカーンは、アイランドなんて存在していないことを知ってしまう──。
映画のテーマはずばり“クローン”だ。アイランドは存在しない。では、楽園行きの代わりに彼らに訪れる運命とは何なのか? 実は彼らは、オリジナルの人間を延命させるためだけに作られた、パーツ提供用のクローンだったのだ。
物語は、その事実が判明してから一気に展開。スリリングなドラマが幕を開ける。観客はいつの間にか登場人物に共感し、ハラハラドキドキするといった寸法だ。劇中には、そんな風に観客を虜にする、幾つかの“地雷”が埋め込まれている。
その1つが、クローンの視点から、クローンの問題を描いた点。観客も一緒になってクローンの視点に立つことで、彼らが置かれている状況に我が身をダブらせ、グイグイと物語に引き込まれて行く。さらに、当初、21世紀後半だった時代設定を、2019年に前倒しし、はるか未来の架空の話ではなく、明日にでも起こりうる現実の話として捉えさせたことも大きい。





