そのクールな仕上がりが話題になっているのが、人気アメコミ(アメリカンコミックス)『バットマン』が原作の映画『バットマン ビギンズ』だ。1989年にはじめて映画化された『バットマン』を皮切りに、これまでに4本の映画が作られている。その最新作となる本作は、バットマンが、なぜバットマンになりえたかという誕生秘話に焦点を絞り、コミカルな匂いを発していたこれまでのテイストを一新、リアリティーを追求した壮大で重厚なダークヒーロー映画になっているのだ。
そもそも“バットマン”は、1939年にはじめて姿を現した。デビュー場所は、英語圏最大のコミックス出版社DCコミックスの発行する「Detective Comics #27」。その後、66年間に渡り、ラジオ、テレビ、ゲームなど多方面で活躍してきた。魅力の1つが、スーパーマンや超人ハルクのような特殊能力を持たない点。肉体を鍛え、感性をとぎすますなどの努力の結果生まれた、愛すべきヒーローなのだ。

当然、映画でも大活躍。前述のとおり、『バットマン』(89年)、『バットマン リターンズ』(92年)、『バットマン フォーエバー』(95年)、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(97年)と、これまでに4本が登場。バットマンを演じたのは過去に3人で、1〜2作目がマイケル・キートン、3作目がヴァル・キルマー、4作目がジョージ・クルーニー。それぞれ悪役に大物スターを配し、4作目ではアーノルド・シュワルツェネッガーがMr.フリーズという悪役を演じたことも話題になったものの、これを最後にシリーズは休止状態に。そうした中で、満を持して登場したのが、バットマン誕生秘話を描く本作というわけだ。
物語は、バットマンこと、ブルース・ウェインの幼少時代からはじまる。ゴッサム・シティの大富豪の御曹司として生まれたブルースだが、目の前で両親が殺されたことから人生は一転。壮大なドラマが幕を開けるのだ。バットマンがバットマンたる起源を、幼少時にまで遡り描いた物語は重厚で、コミックスが原作とは思えないリアルさ。実はここに監督の狙いがあった。




