中村獅童と小栗旬が“二人で一役”という珍しい演出に挑んでいるのが『隣人13号』だ。一見穏やかな風貌の青年。しかし、彼にはもう1つの顔があり、怒りと共に凶暴な別人格が出現する——。“いじめ”をモチーフにした本作は、いじめた方は覚えていなくても、いじめられた本人は、その時の思いを決して忘れないという真実を、私たちの心に突きつけてくる。
原作は、カリスマ的人気を誇るマンガ家の井上三太が1993年〜96年に発表した同名コミック。このコミックは、10年以上前に誕生したにも関わらず「いじめ」「二重人格」「復讐」といった、今なお古さを感じさせないテーマを内包し、これまでにも幾度となく映画化をオファーされながら実現しなかった“いわく付き”作品だ。その映画が今回、プロモーションビデオ界で卓越したビジュアル・センスを持つ井上靖雄監督の手によって、ついにスクリーンに甦った。
主人公は、かつて、いじめられっ子だった村崎十三(小栗旬)。ボロアパートに引っ越してきた彼は、建築現場の職を得る。実は、その会社の先輩社員こそが、少年時代の十三をいじめぬいた赤井トールだったのだ……。しかも赤井は、妻子と一緒に十三と同じアパートに住んでいた。やがて十三のなかで、復讐に燃える別人格“13号(中村獅童)”の存在が大きくなりはじめる。




