■投資信託は「株の入門。投資ビギナーのもの」というイメージがあります。
藤沢 これまで、株は、少額では買えなかったからでしょう。投資を始めたばかりの資金力のない投資家は、投資信託にしか投資できなかった。しかし、今は少額でも取引できます。ミニ株もありますし、株の分割も進んでいます。株の入門が投資信託であるという時代ではなくなりました。

棲み分けとしては、長期運用は投資信託、中期短期で運用するなら株。あるいは、国内なら株式、海外の株・債券は投資信託、という役割分担で考えるべき。
もちろん株式で長期運用することも可能です。ただ、企業が永続的に成長してくれるかどうかは分からない。となると分散投資が必須。個別銘柄を複数購入するためには、それなりの資金が必要です。
小口でしかお金を出せないが、分散して安定的に資産を形成したい――そういう人のために投資信託はある。株と投資信託の中間的存在であるETF(株価指数連動型上場投資信託)を購入するやり方もある。ただし、ETFは積み立てができません。
資金が潤沢にあって、何でも自分で調べて投資したい人は、株式のみでもいい。でもそうでないなら、国内株式と投資信託を併用する。あるいは、投資信託で月1万円ずつでも積み立てていくことを薦めます。
■投資信託については、さまざまな批判が聞かれます。例えば、「手数料が高すぎる」という指摘についてはどう考えますか?
藤沢 申し上げておきたいのは、数ある金融商品のなかで、投資信託ほど「透明性の高い」商品はない、ということ。年に1回は運用報告書が投資家の手元に届く。そこには運用会社、販売会社の手数料が明確に記されています。透明性が高いからこそ、風当たりも強い。そう考えています。
では、実際に投資信託の販売手数料は高いのか。「海外に比べて、日本の投資信託の販売手数料は高い」と言われます。しかし、実態はそんなに高くはありません。例えば、アメリカには販売手数料を無料にしているファンドが多数あります。しかし、商品の説明などのサービスが一切ありません。アメリカにも、販売手数料を取り手厚いサービスを提供するファンドはあります。しかし、そうしたファンドの手数料は5%程度です。
日本の場合、販売手数料は2〜3%のものが大半です。ただし、販売手数料無料のファンドが少ないため、平均をとると、アメリカより高くなってしまうのです。
注目すべきは、コストが高い、低いではなく、コストに見合う見返りがあるかどうか。運用結果だけでなく、「商品の説明をきちんとしてくれるか」、「必要に応じて資料を用意してくれるか」、「勉強のためのセミナーなどを開催してくれるか」ですね。個人投資家は、投資に費やす時間や収集できる情報量が乏しい。なので、こうしたサービスは重要です。販売会社の人が、「手数料に見合うサービスをしてくれていない」と思ったら要求するべきです。販売手数料も、自分の投資知識を増やすための投資だと思えばいい。
また、販売手数料の安さだけで商品を選ぶ人がいます。これはお薦めできません。大事なのは運用成績。成績がよいものをチョイスし、そのなかでコストがどうなのか、を見るべきです。
藤沢 久美さんへのインタビューは2回の連載です。次回は2月26日(月)に公開します。




