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人間の心理は不合理なもの、だから利は少なく損は大きい〜ブルー・マーリン・パートナーズ代表取締役 山口 揚平さん(2)

2006年12月25日

(聞き手:大沢 玲子=フリーライター)

(前回記事はこちら

■株価だけを見る、つまりお金目的の投機をすると、なぜ失敗するのでしょうか?

山口 客観的な判断基準なしに、お金を基点に考える…すると欲やプライドといった自分の心の動きに惑わされます。そして、このような感情をベースにした判断は、自然に失敗を導く。

例を挙げましょう。同じ100円のA株とB株を買ったとします。A株は90円に下落し、B株は110円に値上がりしました。90円必要になったら、どっちを売りますか? この問いに対して多くの人は110円に値上がりした「B株を売る」と答えます。でも、合理的な判断は、90円に下がったA株を売ること。なぜなら、B株を売れば税金が引かれますが、A株を売れば、逆に税メリットを得られるから。

なぜ不合理な判断をするのか。プライドがあるからです。A株を売るということは、買い値より下がっている“負け”を認めること。B株を売るのは、“勝ち”を確定させることです。負けはなかなか認めたくないが、勝ちは早く確定したいというのが人間の心理です。

また、不安を基点にした人間心理は、不合理な行動をよびます。だから、利は小さく、損は大きくとるミスを犯す。再び例を挙げましょう。100円の株が90円になったとします。すると、いくらプライドの高い人間でも、次第に不安に耐えられなくなります。「さらに80円、70円と下落するかもしれない」と。そして、耐えられなくなったギリギリのところで売るわけですね。この結果、損は大きくなります。いっぽう100円の株が110円になったら。現実には、これからもっと上がる可能性がある。しかし多くの人は、早く売って“勝ち”を確定しようとする。結果として、小さな利しか得られないわけです。

■株の値動きに惑わされない投資をするにはどうしたらいいのでしょうか。

山口 買値ではなく、客観的な投資のモノサシを持ってほしいと思います。そこで私が提唱しているのが「ざっくり企業価値評価」です。これは、プロが使用する企業価値評価(バリュエーション)の手法を、ごく単純にしたもの。ファイナンスの知識がない人でも、手軽に算定できます。

まず、財務情報を元に企業の価値を算定します。企業の価値とは企業が持っている財産と事業価値を足したもの。そこから負債(借金)を引いたのが株の価値(株主価値)。その値を発行済株式数で割ると、1株あたりの価値になります。

これを、現在の株価と比較してみましょう。株価よりも株の価値が高ければ割安、低ければ割高と判断できます。必要なのは、有価証券報告書と「Yahoo!ファイナンス」などで見られる情報だけ。詳しい内容は、拙書、あるいはサイトでも紹介しています。

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