(聞き手:大沢 玲子=フリーライター)
1963年千葉県生まれ。1991年、インターネットへの無料接続サービスをなりわいとするハイパーネットを設立。ニュービジネス大賞など、多くのビジネス賞を受賞し、メディアの寵児に。しかし1997年、ハイパーネットの倒産とともに自己破産する。現在、ベンチャーキャピタル経営、企業コンサルティング、講演・執筆などで活躍。著書に、『社長失格』(日経BP社)、『おりこうさんおばかさんのお金の使い方』(幻冬舎)など。
「価値の分からないものにお金を支払っている」。板倉さんは、株式市場における個人投資家の行動を、こう評する。「企業価値評価の方法を学ばずして、投資をする資格はない」として、『実践・企業価値評価セミナー』も実施。セミナー卒業生は、2年で1200人を超えたという。「投資に関して、インチキな情報が多すぎる」と嘆く板倉さんに、投資の基本、インチキを見破る方法を聞いた。
■企業の「価値」を分からずに株を買うことはギャンブルに過ぎない。そう主張されています。
板倉 そもそも株式とは何か? その企業の「株主価値の一部」です。それに対して株価とは、株主価値に対して市場が付けた価格です。長期的には、価値と価格は均衡します。

板倉雄一郎事務所代表 板倉 雄一郎さん
中身のよく分からない商品を、数百万円も出して買いますか? 対象とする企業の価値が分からないのに、安易にお金を投じるのは、ギャンブル行為にすぎない。ギャンブルでもうけられるのは、一部のラッキーな人たちと、胴元(証券会社)だけです。
ただし短期の市場は、価値と価格が一致するように合理的には動きません。価値を無視し、価格(株価)の動きだけを見て動く“投機家”がたくさんいるからです。
株価のチャートだけを見て取り引きする、企業の価値を分かっていない投機家が急増したのが去年。これが、市場全体の相場を押し上げる一因になりました。中には、ライブドアのように、価値を大幅にオーバーした株価で取引される企業も現れました。いっぽう、その価値に対して安い価格で放置されている企業もある。価値と価格の乖離(かいり)が起こったわけですね。
しかし、そうした乖離が起こるのは一時的な現象。長期的には、価値と価格は均衡していくものです。1月のライブドアショックが良い例です。価値に対し不当に高い価格で株を買っていた投機家たちは大損をした。価格(株価)の変動だけを追っていたからです。
ライブドアショックに影響され、ライブドアと無関係な企業の価値も下落しました。しかし、価値を見抜ける人にとっては、うれしいバーゲンセールでした。相場全体が一時的に下落したため、価値ある企業の株を安く買えたわけですから。




