綺麗な格好をしていないと、綺麗な製品は作れない
倍賞美津子は初めての打ち合わせの時、主人公たちについて「ワクワクして楽しくやってたと思うのよ」と言ったという。
「それは僕が目指すところと一緒だった。犯罪とはいえ希望に満ちて、いたずら心も含めて、開き直りもあったりしたんじゃないかっていう、共通認識がありがたかったです。
倍賞さんもそうですが、キャスティングはそれぞれみんな大事でね。100パーセント、指名さしていただいたとおりのキャスティングでやっていただいたんで、よかったですよ」
舞台は昭和20年代。戦後の混乱期であり、古きよきものと、新しい価値観が混在する。
「自分は、実際その時代を知らないんですよね。だから想像ですけど、当時の人がこの映画を見たとして、『違うけど、そういうふうに見てくれてありがとう』と言ってもらえればいいという意識はありました。僕は芸能界に入る前に職人をやっていましたけど、やっぱり綺麗な格好をしていないと、綺麗な製品は作れない。昔で貧乏やからいうて、変なもん食わすとか、きったないもん着さすとかね、それはいややったんです。生活にいろんな工夫を取り入れて楽しくやってる雰囲気を出すことにはこだわりましたね。貧しい中でも絶対小綺麗にしときたいし、みんな『ちょっとでも、自分も子どもたちにもええもんを』って考えてはったと思うから、それは心がけてましたね」
※ 文中敬称略
(4月14日火曜日公開の後編に続く)





