学校で戦争について語るのはいけないのはなぜだ? と
「戦争ってのは僕にとって生涯変わらないテーマでありモチーフなんだ。戦争から離れることはできない。かなり早い時期に僕は、そう気付いていた」
それは、1951年生まれの押井監督が「戦争を知らない大人たち」であることに関係があるのだろうか。

「それもあるかもしれない。でも“戦後”ってのは、たまたま日本に戦争がなかっただけで、戦争がなかった時代ってのはないんですよ。人間は戦争をするために生まれてきたとさえ言えませんか?」
戦争の話になると押井は饒舌になった。
「僕は戦後生まれだけど、誰も戦争のことを教えてくれなかったし、教えようとしなかった。誰も戦争のことを語るのをよしとしなかった。その一方で、子どもの世界にはマンガや映画で戦争があふれていた。そういうことは生涯ついて回るよね。戦争があふれ返っているのに、学校で戦争について語るのはいけないのはなぜだ? とね」
押井少年が抱いた疑問は、数十年を経て、スクリーンの上で様々な表現となって花を咲かせているように見える。男の場合、年を経ると必ず「歴史」に回帰すると押井は言う。
「そして、僕の場合、戦争として語るべきものが歴史である」
今年7月、押井の95年の名作『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』をデジタル画像でバージョンアップした『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』が公開された。宮崎駿監督4年ぶりの新作『崖の上のポニョ』も公開中。ジャパニメーションファンには贅沢な夏になりそうだ。
※ 文中敬称略




