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役者としての立ち位置

相変わらず、舞台への興味や挑戦は、「タイミングが合えば」という答えだが、今後、彼は日本でどんな姿を見せてくれるのだろう。

実は渡部は監督として撮り終えて、編集作業に入っている作品があるという。『コトバのない冬』と題されたその映画は、渡部の原案で自身が主演も務めている。それは北海道の由仁(ここは渡部にとって個人的な思い入れのある場所でもある)というところにある小さな食堂を舞台に、生まれつきにコトバを話すことができない男性と突如記憶を失った女性を巡る切ない物語だ。

「僕は自分が俳優として演じていたときに、いつも俳優の目線とか、監督の目線というものはないと思っていました。だから僕がカメラを回すときも、ただ僕がこれを撮りたい、見たいていうものが作品になればいいと思うんです」

「例えば変な話、中学生とかにカメラ渡して、何か好きに撮ってごらんっていうのは、それは一つの作品じゃないですか。それでいいと思うんですね」

役者も演出家も監督もすべて同じ立ち位置にあるという渡部にとって、演出家と意見を交えることも、監督となって作品を作ることも、そして役者として演じることも、同じことのようだ。

「だから、この映画を完成させようか、それともまた俳優として映画をはじめようか、それともまた舞台をやろうかと優先順位がつけられない。まだ迷っている感じです。なかなか先のスケジュールまで決められない。というか、決めたくない。他にいい作品のオファーが来たらどうしようと思ってしまうんですね。欲張りだから」

「それに昔ほど、がむしゃらに仕事をしたいとも思わない。自分のペースで、そしてタイミングで、決めていこうと思っています」

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