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マルグリット・デュラスの原作「ヒロシマ、私の恋人」(清岡卓行訳・筑摩書房)は、一通り目を通しただけでは理解するのは難しい。渡部自身もこの原作を読んだ時は、 「う〜ん、さっぱり分からない(笑)。非常に奥深く繊細な男女の心理が描かれており、難解だった」

と感想をもらす。

フランスでの戸惑いの日々

この作品を舞台化するには、映像で背景を説明できない分、演者の心理的な表現力が求められる。

しかし、稽古が始まった当初は、演技の内容以前に、フランス語の発音やニュアンスについてエリックに延々と指導され続けた。

「辛かったけど当然ですよ。駄目出しというか・・・、一つひとつ教えてもらうといった感じだった」

という渡部だが、日本と違う稽古の進め方に疑問を感じ、悶々とした日も続いたという。とにかく、今の渡部にとって日本では体験できないことばかりだった。

『FRANCE 172 ATSURO WATABE』

渡部篤郎=著 芝田満之=撮影

キネマ旬報社 3675円(税込)
2007年8月3日発売

俳優・渡部篤郎が、フランス各都市で、全編フランス語の舞台に臨んだ172日間を、撮り下ろし写真と、ロングインタビュー、そして日記で伝える俳優・渡部篤郎の現在。

『FRANCE 172 ATSURO WATABE』写真展のご案内

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