(インタビュー・文=山村 基毅 写真=須藤 夕子)
1983年の連載開始以後、「お前はもう死んでいる」といった名セリフで知られ、後には社会現象にまでなったマンガ「北斗の拳」(原作・武論尊/作画・原哲夫)。
実はこの作品、原型は担当編集者でもあった堀江信彦が創り出したのである。テーマやキャラクターの大枠を造形し、連載中もマンガ家、原作者と協議しながら作品を作り上げていった。その意味で、堀江は「第三の作者」と言えるかもしれない。
堀江は当時の人気の原因をこう振り返る。
「当時、ノストラダムスのブームなどがあり、どうも世紀末は危ないぞという雰囲気があったんです。さらに、バブル前夜でしたから、人の心は荒んでいった。そんな中、人間らしい生き方とはどういうものなのか、悩む人も多かったのでしょう。だから、荒野の中で愛を叫ぶ主人公に人気が集まったんだと思いますよ」
堀江はこの後、『少年ジャンプ』の編集長となり、史上最高の発行部数653万部を記録することになる。ちなみに、現在は『少年ジャンプ』が295万部で、やはり少年マンガ誌のトップを走り、『少年マガジン』が237万部でつづいている。朝日新聞の発行部数が826万部だから、653万部という部数の凄さが分かるだろう。
そして、2006年。「北斗の拳」が映画として復活した。今後、5部作として製作される予定である。その第一部が『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝殉愛の章』だ。
映画の製作総指揮、脚本にも名を連ねている堀江信彦に、「なぜ、いま『北斗の拳』なのか」、マンガ「北斗の拳」が誕生するまでの経緯、人気マンガ雑誌を通して見つめてきた世の中の流れについて聞いてみた。




