(インタビュー・文=山村 基毅 写真=冨永 智子)
<前編はこちら>
とても初歩的な質問なのですが……と、CGを作っていく過程を教えてもらった。素人に分かりやすく、単純化して、である。
「スキージャンプは、ほとんどデータは使い回しなんで、一つ教えれば全部理解できます(笑)。まず、作るのは舞台とキャラクターですね。キャラクターの場合、先にデッサンをしておきますよね。このデッサンをガイドにして、次はパソコンで絵を作る。CGソフトって、パソコンの画面上で粘土細工をするようなものなんですよ。横から見たら、上から見たら……というふうにして、粘土を組み立てていく」
このとき、立体的なマネキン状のものが描かれていくと思えばいい。
「次は、そこに骨を入れるんです。人間と同じように関節を入れる。一通り入れたら、動かし方を決める。外側の粘土細工がどういうように骨に付いてくるかを設定するわけ。たとえば、肘を曲げたとき、関節が全部曲がったらヘンでしょ? だから50パーセントだけ骨に肉が付いてくる、とかね。微妙な数値なので、それを調整していくことで、違和感のない動きができあがってくるんです」
あとは、これに顔や服装を付加させていくとキャラクターのできあがりである。
次は舞台。といっても、スキージャンプ・ペアでは、基本的にはジャンプ台のみである。ひとつ作れば、あとは同じものを使用すればいい。
「ここから技を作りはじめるわけです。先ほどの人体の骨組に独自の動きを付けてあげる。これが、一番楽しいんですよ」
この部分こそが、スキージャンプ・ペアの「キモ」である。
ドイツのヴィドヘルツル・ホッケ組による「前方離脱脚前挙」(深く考えないように)、通称ベルリンからスタートした離れ業の応酬は、どんどんとエスカレートしていく。「トーテム」だの「コアラ」だの「ジーザス」だの、真島の発想は野放し状態である。
「技にもよりますが、早ければ一日。面倒なものは、3日も4日もかかります」
「面白いアイデアは浮かぶけど、いまの技術では無理だということもありますよ。それに、作るのが面倒なのもやりたくない(笑)。できるだけシンプルに、です」




