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コピーライター 糸井 重里に聞く(後編)

2005年12月13日

(取材・文=山村 基毅 写真=小川 拓洋)

<前編はこちら>

糸井は最近、ネットビジネス、ネットマーケットなどへの風が「凪(な)いできた」と感じることが多いという。

「去年まで『ああ敵わないな』と思っていたようなところと対等になってきたような感じです。追い風ではないから、要は元気があるというのがポイントなんですね。自分から動いて、熱を出せるようなところが伸びている。これはネットにかぎらず、いろんな分野でそうだと思いますよ」

とくに逆風ではじまった連中は、凪(なぎ)の状態だと途端に元気に見える。

今年、IT関連企業が軒並みマスコミを賑わしたのも、そうした流れの中で解釈すべきなのだろう。

誰も触れないけど、動画配信って公共事業とそっくりです

「でも、凪には凪の苦しさもありますよね。まるで、周囲から『動け動け』と強制されているような感じになってしまう。それで、どうしても無理をしちゃうんですよ」

だからといって、これからはインターネットという仕組みによりかかるだけではダメだろうという。もう仕組みは当たり前になり、誰もが同じになってしまったから。

要はアイデア、コンテンツの勝負になってくる。

「もっともっと作る能力、生み出す能力、クリエイティブな力が要求されるでしょうね。手帳を作るのも単行本を作るのもホームページを作るのも、面白いアイデアを出すということでは、けっきょく同じなんです。核にはオリジナリティがあって、あとはそれを鍛冶屋さんのようにトンカチで叩きつづけて完成度を高めていく。ノーアイデアでは、これからはやっていけないでしょうね」

たとえば、ネットにおける動画配信に関しても疑問を抱いている。テレビと同じことをネットで行なって、どんな意味があるのか。

「そのことについて誰も触れないんですよね。高速道路やダムみたいな公共事業とそっくりです」

next: まず所有があって、その後にコミュニケーションが…

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