「自分でお金を作って、しかもそれに対して空しさを抱えている人。そういう人がお金に復讐するようにしながら、すばらしい素質はあるけど眠ったままの原石を磨いていくというストーリーがいいな、と思ったんです」
「時代が写っているそんな町の描写が好きです」

一見、キャラクターを巡る設定は庶民の感覚とはかけ離れた世界。にも関わらず、リアルな感覚に引き込まれていくのは、描写の的確さだ。ゲームを作ること以外、毎日をただやり過ごしているように生きるMGは、ふつうの会社員が読んでも自分自身を簡単に投射することができる。
「今の時代、地に足が着いてリアルなだけの現代人なんていませんよ。それは北朝鮮の朝市などにいかないと無理だと思う。みんなリアルな世界とゲームやネットのバーチャルな世界と半々で生きている気がします。生きているという、ものすごい実感なんてないもんね。それが今の日本人だと思うんですよ」
浮遊しているようなキャラクターたちの成長ぶりと同時に、丁寧に描かれる建築や町並がリアルな時代を物語る。
「新しい形の恋愛と同時に、東京の新しい顔みたいなものも入れたかった」




