(取材・文=坂口 さゆり 写真=大賀 佳子)
「この研究についてだれにも言ったことはないし、自分で売り込んだこともなかったので、連絡があったときは大変驚きました」
「頭がよくなる食べ物はあるのか」「食事で若返りは可能なのか」──35年にわたって自分の食事を毎食すべて写真に撮って記録・分析し、長寿に関する新しい理論を打ち立てた日本の発明家、中松義郎博士(ドクター・中松)が、今年10月、その功績を称えられ、イグ・ノーベル賞(栄養学賞)を受賞した。

「考える人」が椅子から転げ落ちる、というパロディー仕立てのイグ・ノーベル賞の盾
イグ・ノーベル賞とは、1991年に設置されたノーベル賞のパロディ的な賞で、工学賞、物理学賞、栄養学賞、医学賞、心理学賞、文学賞、経済学賞、学際研究賞、平和賞、生物学賞の10部門からなる(部門の構成は年によって微妙に異なる)。
過去の日本人の受賞者を見ても、たとえば、カラオケを発明した井上大佑氏(2004年 平和賞)や、夫の不貞行為を検出するスプレーを研究した牧野武氏(99年 化学賞)などさまざま。「人々を笑わせ、考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である。
一方、会計操作による不正で米国経済と市場への信頼に打撃を与えた米国のエンロン社に経済学賞を与えられたように、時に皮肉が込められることもある。だが、科学の面白さを再認識させてくれる場でもあることは間違いないだろう。

ハーバード大学で行われた授賞式




