民主化への移行で大きく変わった韓国エンタメ
調べていくうちに、田代さんには韓国のエンターテインメント・シーンの変遷(へんせん)が見えてきた。韓国エンタメは、90年代に劇的に変わったのだという。彼女がハマったのは、まさにそんな変化しつつある時期だった。

『四月の雪』(監督:ホ・ジノ/出演:ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン/9月17日より日比谷スカラ座ほかにて全国公開)www.aprilsnow.jp
「たとえば、映画。90年代の半ば、制作現場での世代交代が行なわれたんです。さらに軍事政権から民主化へと替わり、扱う素材が自由になった。この二つが、変化の最も大きい原因ですね。この変化によって、観客の意識も変わってきた。テレビドラマのほうは、それまで2局しかなかった放送局が3局になったんです。そこに新しい活力が入ってきた。あと、80年代の終わりに海外旅行の渡航自由化があった。そうした諸々のことが影響して、がらりと変わるわけです」
一方で、田代さんの好きだった香港映画は、何人もの優秀な作り手がハリウッドに流出したり、もともと劇的変化の少ない世界であったため、どうしても中休みのようにして離れてしまった。
「香港映画は、5年間見てなくても、それほどスターの顔ぶれや作品の質に変わりはありませんが、韓国はちょっと目を離すと、大きく変わってしまう。そこにまた惹きつけられるんです」
日本が、そんな韓国エンターテインメントの面白さ、深さに気づくのは、2000年に公開された映画『シュリ』からだという。
「『シュリ』がロードショー公開されて、やっと一般の人も、韓国映画にも面白いものがあると知れ渡ったのです。あの映画は、その意味で重要ですね。ただ、それ以降、上映される映画は増えたのですが、あまり当たらなかった。面白いのは認めつつ、まだ、お金を払って見ようとするまで、ファンが成熟してなかったんですね。そんなところに、テレビドラマがやってくるんですよ」




